SSブログ

2013年は交通系電子マネーに注目!(2)Suicaは本当に一強か [電子マネー・QRコード決済]

皆さんこんにちは。「ゆるマイラー鉄子」を自認しているトラベルライター兼、
電子マネー研究家・岩間昌子と申します。
*旅行、または電子マネー関連の執筆の仕事がありましたら、ぜひ声をかけてください

2013年の幕開けとともに、昨日から始まりましたシリーズ「2013年は交通系電子マネーに注目!」
自分の得意分野で勝負しようと始めた企画ですが、いかがでしたでしょうか。

昨日は、2013年3月23日から始まる「大手交通系電子マネー10種類の相互利用サービス」について、
現時点でわかっている範囲で、概要をお伝えしました。
本日からは、いよいよ、相互利用サービス開始後をにらんでの戦略といいますか
具体的にどの電子マネーを選んだらいいか、またどのように使えばいいか
自分の思うところを提案していくつもりです。

とはいいましても、気のおもむくまま、あくまで主観的な立場で書こうと思ってますので
「こうすべきだ」「こうしなさい」という絶対的な方針ではなく、
ひとつの参考意見として読んでいただければ、幸いに存じます。

さて交通系電子マネーについて書かれた、ハウツー本の文章やブログ記事、
さらに掲示板やSNSのご意見などを拝見しますと、けっこう一致しているのが
「やはりSuicaが最強」「3月の全国相互利用化後も、Suicaを使えば間違いはない」という論調。

それはそれでうなずけるところもあるのですが、だからといって
ほかの交通系電子マネーと比較検討もせずに、Suicaに決めてしまっていいのかな。

Suicaが登場した2001年(正確にはSuicaイオカードの時代)当時からSuicaユーザで
自宅最寄り駅がJR東日本のSuicaエリアにあり、仕事にせよプライベートにせよ
鉄道を使ってまかなえる行動範囲の90%以上が、Suicaで事足りてしまう。
言い換えれば、Suica以外の電子マネーをあえて使う理由はない。
そんな私でも、常日頃から「Suicaが最強と断言して、本当にいいのかな?」という
疑問を持ち続けているわけでして。

そこで今回は、初心に返ったつもりで、果たしてSuicaは交通系において、本当に
「ひとり勝ち」電子マネーなのか、できるだけ客観的な検証を試みたいと思います。

まず、Suicaの実力について。
Suicaを「日本初のIC乗車券」と述べている文章もよく見かけますが、正確には
1998年9月、広島市を走るスカイレールの定期券に採用されたのが、公共交通機関における
日本初の非接触型ICカード導入といわれているようです。

ただし、買い物にも使える「電子マネー」機能をIC乗車券に搭載したのは
私の知る限りでは、Suicaより早いものはないと思われます。
まあ、ひょっとしてあったとしても、Suicaのように首都圏一円、ひいては
仙台市や新潟市を中心としたエリアも含め、広範囲で使えるIC乗車券と定義すると
やはりSuicaが、「元祖交通系電子マネー」といって差し支えないでしょう。

ですから、ほかの交通系に先んじてサービスが始まっただけに、新しいサービスの導入も
Suicaが先行することが多く、交通系電子マネーのデフェクトスタンダード(事実上の標準)と
呼ばれるのも、納得がいくのではないでしょうか。

利用可能エリアが広いだけではなく、発行枚数約4,048万枚(2012年8月末現在、
うち電子マネー対応3,819万枚)、利用できる駅は全国約3,000駅(2012年12月現在・
相互利用ICカード対応駅含む)、Suica加盟店舗数約11万6,900店(2012年12月現在)も
ほかの交通系電子マネーを引き離しダントツ

さらにほかの交通系電子マネーに比べ、Suicaの主な長所として次の2点があげられます。

1.モバイル対応している
今回相互利用化が実現する10種類の交通系電子マネーのうち、モバイル用のアプリが設けられているのは、
現在のところSuicaだけ。これもじつをいうと、伊予鉄道の「モバイルい~カード」、
長崎県営バスの「モバイル長崎スマートカード」が、いずれもモバイルSuicaより早い時期に誕生して
いるのですが、どちらもNTTドコモの従来型ケータイにしか対応していません。
複数のキャリア、しかもスマートフォン用のアプリも用意されているのは、
事実上モバイルSuicaのみ。対応している携帯電話を持っていれば、カードを申し込む手間がなく、
全国どこに住んでいても比較的容易に手に入れられるのも、モバイルSuicaの強みになっています。

2.数多くのポイントと提携している
SuicaにはSuicaポイントクラブという、会員制のポイントプログラム(入会金・年会費無料)があり、
ペンギンの黄色いステッカーが目印の「Suicaポイント加盟店」で
Suicaポイントクラブに登録したSuicaを利用すれば、Suicaポイントがためられ、
たまったSuicaポイントで、電車やバスに乗ったり買い物することができます。
ポイント制度はほかの交通系電子マネーでも導入しているところは少なくありませんが、
Suicaポイントは、ポイントが交換できる提携先のパートナー数が多く、
またバラエティに富んでいるのが特徴。ポイント専業サイト、紳士服店、銀行、証券会社、
クレジットカード、スーパーマーケット、駐車場、マイル(ANA)など異業種も多く、
Suicaエリアから離れたところにお住まいでも、Suicaポイントをためることが可能になっています。

以上のことからかんがみて、Suicaは「Suicaエリアの鉄道を利用しなくても」
「Suicaエリアから遠いところに住んでいても」容易にSuicaポイントをためることができることから、
居住地を問わず、誰でも使いやすい交通系電子マネーといえるでしょう。

ただし、Suicaポイントをためるための提携先は多くても、Suicaポイントを
ほかのポイントに交換するルートは、残念ながら充実しているとはいえません。
(現在のところは、Yahoo!ポイントとWAONポイントのみ)
また、Yahoo!ポイントと相互交換が可能だったJALのマイルは、2013年3月31日で提携サービスを
終了してしまうことから、SuicaポイントをJALのマイルに交換するルートとして
唯一残されていたYahoo!ポイント経由ルートは、間もなく閉ざされてしまうことになります。

また、ポイントをためるためにSuicaを使う場合、勘違いしやすい点がいくつかあります。

*電車やバスの乗車では、Suicaポイントはたまらない

*街ナカのコンビニでは、Suicaは使えても、直接Suicaポイントがたまる店は
「スリーエフ」しかない(これを誤解している人が本当に多く、またJR東日本の
案内の仕方も、決してわかりやすいとはいえません)

*クレジットカードによるモバイルSuicaへのチャージで、クレジットカードのポイントを
ためようと思っても、大半のクレジットカードではポイントをためることは不可能に
なっている(これも、チャージ自体はできるだけに誤解を招きやすいところ)

モバイルSuicaの話が出てきたついでに、モバイルSuicaにひも付けできる
クレジットカードについて書きますと、現在のところは、JR東日本グループに所属する
株式会社ビューカードが発行するビューカードと、提携会社が発行する、iの字を2つ
並べたようなマークが入っている「ii」マークのあるカード(ビューTypeII提携カード)、
そして、JCB、VISA、MasterCard、アメリカン・エキスプレス、ダイナースクラブ、
JR東海エクスプレス・カードの各カードのひも付けが可能です。
ただし、ビューカード(ビューTypeII提携カードを含む)以外のカードだと、
利用の有無にかかわらず、登録しているだけで年会費として1,000円(税込)が徴収されます。
これがアホらしくて、私は、自分がひも付けしていたJALカード(VISA)が、モバイルSuicaへの
チャージでJALマイルが付かなくなったのを機に、モバイルSuicaを退会してしまいました。

現在は、Suica定期券をSuicaポイントクラブに登録していますが、この場合
ビューカードしかチャージ用にひも付けできないために、事実上、チャージによる
クレジットカードポイントの取得は諦めている状態。
実際、目をつけているビューカードはあるのですが、経済的な事情などで
新たにクレジットカードを持てる状況ではないことから、しばらくの間は
このまま我慢しなければならないんですよね。

かといって、手持ちのクレジットカードでチャージしてポイントがたまる
交通系電子マネーをほかに探しても、なかなか見つからない現状。
やはり、こういう点からしても、Suica「一強」としかいえないんでしょうか。

いや、ビューカードにしても、「Suicaポイント→ビューサンクスポイント」の
ポイント交換ルートが健在だった頃は、Suicaポイントクラブにも同時に登録して
ポイント交換などでためたSuicaポイントを、大量のJALマイル(JALカードSuica)や
ビックポイント(ビックカメラSuicaカード)、ルミネの商品券(ルミネカード)に
換える動きも全国的にあったのですが、Suicaポイント→ビューサンクスポイントが
2010年4月30日をもって断たれた後は、Suicaポイント交換でためていくのではなく
Suicaチャージやクレジット利用などで、そのクレジットカードのポイント・マイルを
ためるほうが主流になってしまっているようですね。
しかも一度に大量にためるのではなく、コツコツと着実にためるという感じで。

ですから結論としては、ポイントをためる手段として交通系電子マネーの利用を考える場合、
ビューカードをすでに持っているか、あるいは持つ予定があれば
利用する交通系電子マネーにSuicaを選ぶのは、大変有用だと思うのですが
それ以外のクレジットカードを使うのであれば、必ずしもSuicaでなくてもいい。
むしろ、ビューカード以外のクレジットカードでは、Suicaの特徴を
うまく活かせないケースもままあることを覚えておいてもいいかもしれません。


お読みいただきましてありがとうございます。次回もお楽しみに。
よろしければいずれか、クリックを。今後とも応援よろしくお願いします。

にほんブログ村 その他生活ブログ 電子マネーへ      にほんブログ村 小遣いブログ マイレージへ       「ポイント・マイル」ブログランキング参加中


メールはこちらへお願いします。



コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:ニュース

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

トラックバック 0