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マイルの基礎講座(1) [基礎講座]

*2007年春の情報です。

マイルと陸マイラー

皆さんこんにちは。本日から始まりましたマイレージの初心者向け講座、
「マイルの基礎講座」。私は、講師のじゅめいむと申します。
これから全10回の予定で、今さら他人に聞けない質問から
ちょっと踏み込んだ項目やトリビア的知識、私個人の意見やアドバイスも交え、
ボリュームもたっぷりに、これだけは知っておくと何かと得する
マイレージの世界を楽しむためのあれこれをお届けさせていただきます。

前日の予告でも申し上げましたが、裏技を手っ取り早く知りたいとか、
1マイルの損得にこだわるという人には、この講座はおすすめいたしません。
あくまで、初心者が基礎的な知識を身につけていただくため、
また、ある程度マイルに慣れ親しんでる人も一度立ち止まって、とあるマイラーの独り言、
参考意見として確認していただければと思います。

正直、文章は長く回りくどいので、読むのに骨が折れる箇所も多々あるでしょうが
できるだけ丁寧に説明することを心がけていますので、何とぞご了承ください。
何かわかりにくい点やご意見、ご感想などありましたら
お気軽にコメントを寄せてくださいますと幸いに存じます。

それでは第1回のテーマ「マイルと陸マイラー」を開講させていただきます。

さて皆さん、「マイル」というと、日本では「飛行機の搭乗距離、または
飛行機に乗ったり、航空会社と提携しているサービスを利用した場合に付くポイント」の
ことに限定して指してる場合が多いですよね。
でも本来は、アメリカ合衆国で採用されているヤード・ポンド法における
距離の単位であることは、ご存じのかたも多いと思います。
陸上だと1マイル=約1609.344m、船や飛行機だと1マイル=約1852m。
ただ一般的な飛行機のマイレージ・プログラムの場合、1852mのほうではなく
約1609mの搭乗距離を「1マイル」と称しているようですが。

今日では一般に「マイレージ・プログラム(あるいはマイレージ・サービス)」として
紹介されるこのポイント制度、元来は「フリークエント・フライヤーズ・プログラム」
(略称FFP)と呼ばれていました。文字通り「飛行機によく乗る人のためのプログラム」。
ですから、現在のように買い物とか、あるいはインターネット広告を見るだけで
マイルがたまるなんて、考えられない時代があったのです。

FFPが産声を上げたのは、およそ四半世紀前の1981年5月。
アメリカにある航空会社、アメリカン航空とユナイテッド航空が相次いでサービスを開始。
(このうち、ユナイテッド航空のFFPの名称「マイレージ・プラス」が、
こんにちFFPをマイレージ・プログラムと呼ぶようになった語源ともいわれています)
当初は主にビジネスマン向けの、短期間のプロモーションとしか
考えられていなかったようでしたが、数年後には、飛行機をあまり利用しない人たちも
積極的にプログラムに入会するようになり、急速に浸透。
航空会社は次第にホテルやレンタカーといった関連業種や電話会社、
さらにはクレジットカード会社などにも提携先を広げ
「飛行機に乗らなくても」マイルがためられるように。
また、FFPの成功を知って、導入にあまり乗り気ではなかったほかの航空会社も、
次々とサービスを提供するようになりました。

当然、ほかの国のエアラインにも導入の動きは広がります。
日本におけるマイレージ・プログラムは1993年の初め頃、JALとANAが相次いで行なった
「国際線の搭乗距離に応じて旅行券をプレゼントする」というキャンペーンが、
始まりとされています。その当時は法規制により、日本では無料航空券の
プレゼントができなかったため旅行券になったのですが、同じ年の11月には
早くも両社は、無料航空券と座席アップグレードの提供に踏み切っています。

当初は、マイルをためるのに「正規運賃での利用のみ」「エコノミークラスはダメ」
なんて縛りもあったのですが、そういう規制が徐々に撤廃されていくとともに、
エアライン同士の提携(=グループ化)の広がりや
航空会社以外の提携先の拡大(=陸マイラーの増殖!?)、
そして特典も、航空券やアップグレードだけでなく、
飲食物、フライトシミュレーター体験、電子マネー、クルーズやオペラ鑑賞、
電子機器、レンタカー、ホテル宿泊、団体への寄付…などなど
いろんな方面へ広がっています。

ところで「マイル」が距離の単位とすれば、「マイレージ」は厳密には
「一定時間内の総マイル数」や「走行距離」のこと。
日本では、特に航空分野に限って「マイレージ」が使われる…と
いいたいところですが、現実、例えばガソリンとか自動車のETC、映画鑑賞、
さらには一般の商店や銀行、インターネットのポイントサイトなどで、
航空マイルとは関係ないポイントを「マイル」「マイレージ」と呼んでいたり、
また「フードマイレージ」(食料の輸送距離)という言葉も浸透しつつあり
混乱しかねない状態。読み取りには注意が必要です。
(ちなみに私自身は「マイル」と「マイレージ」は特に区別せず、混同して使ってます)

そして「マイラー」という言葉。
本来の英語では、マイル競走の選手(競走馬)を指しているのですが
日本だとこの意味で使われることは、ほぼ皆無ですね。
そう、我が国では「マイルをためる(ことに熱中している)人」の意味に
完全に転じてしまった感があります。

特に日本独自の造語として「陸(おか)マイラー」という言葉があげられます。
以前から、「サーフィンはしないけど、ファッションだけサーファー気取り」という
人のことを「陸(おか)サーファー」と呼んでたりしてますが、まさにそれをヒントに
造られた言葉といえそうです。
意味は文字通り、「飛行機に乗らず、主にクレジットカードや電子マネー、
インターネットのポイントサイトなどの利用でマイルをためる人」のこと。
「丘マイラー」と表記している場合もありますが、意味は同じです。

また「陸マイラー」に対抗して「空(そら)マイラー」という単語もありますが
もともとマイルは、飛行機に乗ってためるのが本筋ですから、あえて「空」を
付けなくても、とは個人的に思いますけどね。

そんなわけで、本来の目的からすると「陸マイラー」の行為は
邪道といえなくもないですけど、世間には「お金がなく、休暇もとれず
飛行機に乗りたくても、なかなか乗る機会がない」という人も少なくありません。

また、出張などでしょっちゅう飛行機を利用しているような人のなかにも
「勤務先の規定で、マイルが個人のものにならない」という人もいらっしゃるようで
こういう人たちも、自分のための旅行をするには「陸マイラー」にならざるを得ない、
という事情も理解できますよね。

かくいう私自身の場合は、トラベルライターという肩書をもっているため
よく誤解されるのですが、現実は飛行機どころか鉄道に乗ることもほとんどなく
カメラマンの車で、関東近郊の温泉地に取材、というのがこれまでの仕事の大部分。
仕事で飛行機に乗ったなんて、11年のキャリアのなかで、数えるほどしかありません。
かつて航空雑誌の編集部に在籍していたくらいですから、人後に落ちない
飛行機好きであることは確かなだけに「こんなはずじゃなかった」と
悔しい思いを何度もしてきました。その思いが私を「陸マイラー」への道に
駆り立てたともいえそうです。

次第に、航空会社のマイレージ・プログラムと提携する企業も広範囲に及ぶにつれ
今では「陸マイラー」の存在も世間にすっかり認知され
陸マイラーが作るホームページやブログも、人気を集めています。
この講座でも、「陸」でマイルをためることを中心に、
これからマイレージの基本についての説明を進めていきたいと思います。
それでは、次回をお楽しみに。お疲れ様でした!!


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コメント 2

ぶんこ

じゅめいむさん、1回目の講座、ありがとうございます。

トラベルライターさんなので、飛行機利用が多いと思っていた1人です。

マイルとマイラーという言葉の基本からわかって、次回が楽しみです。
by ぶんこ (2007-04-28 19:18) 

じゅめいむ

ぶんこさん、読んで下さいまして、こちらこそありがとうございます。
また、返事が遅れまして、申し訳ありません。

私もマイラー生活に突入して約7年、主に航空会社のサイトを読んだり
いろいろと試行錯誤していくうちに、それなりにマイルをためるコツをつかみ
特典航空券もゲットできるようになったという次第で。
だいたい、独学で覚えてきました。

確かに、達人さんのサイトとかホームページは手っ取り早く
情報や裏技を知ることができるけど、マイレージのことをちゃんと理解して
自分なりのコツをつかむのは、なかなか難しいな、と。
また、初心者に対しては冷たいな、という気もしていたので。

でもあらためて、自分がそういう初心者向きの解説を書こうとすると
やはり難しいな、と思ったり。またまた試行錯誤です。
それでも、なんとか、わかりやすく解説しようと努力いたしますので
これからもよろしくお願いします。
by じゅめいむ (2007-04-30 15:03) 

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