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とある大手電子マネー、事実上のサービス終了のお知らせ [電子マネー・QRコード決済]

皆さんこんにちは。「ゆるマイラー鉄子」を自認しているトラベルライター兼、
電子マネー研究家・岩間昌子と申します。
*旅行、または電子マネー関連の執筆の仕事がありましたら、ぜひ声をかけてください

震災直後には一時、停滞状態にあったものの、その後は順調に利用実績を伸ばしている電子マネー
日本では、少なくとも都市部においては、すっかり日常生活に定着している決済システムと
いえるのではないでしょうか。

IC乗車券を兼ねた交通系に、大手流通グループなどが発行している流通系。
チャージして使うプリペイド式に、クレジットカード利用料金とともに後で引き落とされるポストペイ式。
さらには、カードやモバイルアプリ、シール、キーホルダー、リストバンドなど形状もさまざま。
種類も相当数にのぼり、まさに百花繚乱といってもいいほどの状況になっているといえるのかもしれません。

今後の発展がますます期待される電子マネー。しかし、その一方で先日、
とある大手電子マネーの、事実上のサービス終了が発表されました。

「Visa Touch(ビザタッチ)/Smartplus(スマートプラス)」
新規入会受付/モバイルサービス終了のご案内

三菱UFJニコスとフランチャイジー各社は、2013年1月10日、三菱UFJニコスが運営する
後払い式非接触決済サービス「Visa Touch/Smartplus」の新規入会受付を、
2013年3月31日をもって終了することを発表しました。
*Visa TouchとSmartplusは、名称は異なりますが、システム的にはほぼ同一です

リリースによると、新規入会受付の終了のほか、
現在、「Visa Touch/Smartplus」を利用されているかたについては、

【カード型「Visa Touch/Smartplus」をご利用のお客様】
有効期限内までご利用いただけます。

【モバイル型「Visa Touch/Smartplus」をご利用のお客様】
<有効期限が2014年6月30日以前のお客様>
有効期限内までご利用いただけます。
<有効期限が2014年7月1日以降のお客様>
有効期限に関わらず2014年6月30日をもちましてサービスを終了いたします。

ということは、カード型の有効期限が最長いつまでなのかわからないので
断言はできませんが、モバイル型については、少なくとも2014年6月いっぱいで終了。
いずれにしても、あと数年のうちに、Visa Touch/Smartplusのサービスは
終焉を迎えることが予定されているようです。

いわば、ほかの電子マネーが日常生活に定着し、世間に浸透が広がるなかで
「Visa Touch/Smartplus」は、キツイ言葉ですが「負け組」と判定されたわけですね。

思えば当ブログでも、Visa Touch/Smartplusは、記事で何度か取り上げてきました。
コンビニではローソンやサークルKサンクスで使えること。
街ナカよりも、高速道路のSA/PAやガソリンスタンドなど、ロードサイド店舗に強みをもつこと。
DC/UFJ/ニコス/MUFGの各クレジットカードにひも付けができ(一部制限あり)、
カードのポイントをため、JALなどのマイルに交換できること。
これらのことをつづってきた記憶があります。

またSmartplusユーザの話も聞いたことがあり、こちらが思っていたよりも便利に使えると、
教えてもらったような気がします。

しかし。電子マネー情報にも力を入れる当ブログとしては、ほかの電子マネーと同様に
Visa Touch/Smartplusに関する情報をもっと得たいと思っていたのですが。

まず問題だったのは、肝心の公式サイトの更新がほとんど行なわれてなかったこと。
Visa Touchのサイトは、正直使い物にならないため、Smartplusのサイトをチェックするように
していたのですが、いつまで経っても、更新の気配がなく。
現在(2013年1月20日)に至るまで、最新情報のトップに「2009年5月28日」付の
ニュースが載っているくらいですから。最近は、サイト立ち寄りも怠っていました。

また、ほかの電子マネーに比べ、一般向けの宣伝もほとんど行なわれていませんでした。
もともと後払い式は、NTTドコモのiD(アイディ)の独壇場という性格が強く
JCBなどが運営するQUICPay(クイックペイ)も苦戦していた感はありましたが
最近になってQUICPayはようやく、さまざまなキャンペーンを展開するようになったのに、
Visa Touch/Smartplusに関しては、そういった動きは見えてきませんでした。

そして何より、導入店舗がなかなか増えなかったこと。これに尽きると思います。

じつはVisa Touch/Smartplusについては、一足早く、2012年の10月に
「Visa Touch(ビザタッチ)/Smartplus(スマートプラス)」の更新に関わるお知らせと題し、
過去1年間これらの利用がないかたについては「紛失・盗難による事故防止」や
「資源・環境の保護」の観点から、有効期限を更新した新しいVT/SPのお届けを
停止させていただくとの措置が発表されていました。

このときは、単に「名前だけのユーザ」の一掃というか、もともと電子マネーには
有効期限が設定されているものも多く(交通系など)、期限が過ぎると使えなくなることから、
それについて三菱UFJニコスは厳しい対応をとるのだという認識でいました。

それが結局は、将来性に見切りをつけ、会員募集を打ち切り、サービス終了に
結びついてしまうことになるとは…。

対照的に、こんなニュースもあります。
Visaのライバル、MasterCardが提供する非接触決済サービス「PayPass(ペイパス)」は
PayPassの日本語サイトによると、日本国内で使える場所はわずか2カ所(千葉県のTDRの
「イクスピアリ」と、神奈川県のみなとみらいの「コレットマーレ」)と、
Visa Touch/Smartplusが使える店よりもさらに少なかったりするのですが、
国際規格であるNFCに対応していることから、NTTドコモがMasterCardと提携。
ドコモのNFC対応スマートフォンの「おサイフケータイ」で、日本国内56万台以上の
iD加盟店だけでなく、世界41カ国約50万カ所の「MasterCard PayPass」加盟店でも
iDを利用することが可能になる予定です。
(2012年10月11日付当ブログ記事「NTTドコモのスマートフォンによる電子決済、海外でも」参照)

Visa Touch/Smartplusは、スマートフォンには対応してないようですし
採用している通信技術がフェリカ方式と、日本国内では敵なしでも
国際的にはそれほどメジャーとはいえない方式であることも、将来の事業展開を考えるうえで、
ネックになったのかも。

うーん、また過去のバックナンバー、書き換えなきゃならない(または追記をしなければならない)
箇所が増えたなあ。


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