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2013年は交通系電子マネーに注目!(3)PiTaPaは本当に「使えない」か [電子マネー・QRコード決済]

皆さんこんにちは。「ゆるマイラー鉄子」を自認しているトラベルライター兼、
電子マネー研究家・岩間昌子と申します。
*旅行、または電子マネー関連の執筆の仕事がありましたら、ぜひ声をかけてください

「2013年は交通系電子マネーに注目!」シリーズ3回目の今日は、相互利用化される
10種類の交通系電子マネーのうち、唯一、ポストペイ(後払い)式を採用している
関西の私鉄・地下鉄・バスを対象とした「PiTaPa(ピタパ)」についてお話ししたいと思います。

さて、先頃発表された相互利用の件に関するプレスリリース内で、このような文章が
掲載されていたことに、目を留めたかたも多いと思われます。

・全てのエリアで、本サービスに対応した鉄道およびバスが利用できる。
・各交通系ICカード加盟店で、電子マネーによるショッピングが利用できる。
(「PiTaPa」を除く)

この「PiTaPa」を除くに、ショックを受けたかたは多かったようです。
何しろ、mixiのニュース日記のなかでも「PiTaPa持ち俺は負け組www」などと
自嘲する書き込みが目につきましたもの。

*もっとも、PiTaPaは関西以外では正直、あんまり知名度がないということもあって
(少なくとも関東では、関西のPiTaPaが紹介されることはめったにありません)、
反響が大きかったとは、必ずしもいえないところはありますけどね。
それに、地元関西の人さえ「子音が大文字、母音が小文字」で構成されるPiTaPaのつづりを
正しく書いている人はあまりいなかったようで…これについては、PASMOみたいに全部大文字か、
manacaみたいに全部小文字にするほうがよかったのではと
(ま、TOICAみたいにテキストは全て大文字なのに、ロゴは「toICa」の例もありますが)

ちょっと話はそれましたが、とにかく今回の件で初めて「PiTaPa」の存在を知った人も含めて、
「買い物に使えないんだったら、PiTaPaははじめからアウトオブ眼中」
「何しろ、クレジットカードも申し込まなきゃならないんなら、めんどくさい」など
ほかとはシステムからして大きく異なるPiTaPaのことを、使えない電子マネーと
思いこんでいる人は少なくないようです。

もちろん、交通利用も買い物も、クレジットカードの利用代金と合わせて
金融機関の口座から引き落とされる後払い式がメインであるPiTaPaを
先払い(プリペイド式)であるほかの電子マネーと相互利用化させるにあたっては
技術的な面だけではなく、経済面でもハードルが高いと判断されたのかも…。
ですから、乗車券だけでも相互利用化が図られることはありがたいと、私自身は思います。

それに、PiTaPaのポイントシステム「ショップdeポイント」なんて
ほとんどが関西地区に存在する加盟店での買い物でたまるもので(乗り物乗車ではたまらず)
たまったポイントはそれらの加盟店での買い物や、PiTaPaエリアの電車やバスの乗車に使えるというもの。

極論すれば、関西以外に住む人にとっては、ショップdeポイントをためたり使ったりする機会が
ほとんどないわけで(ショップdeポイントは、JALやANAのマイルに交換できますが、
500ポイントたまると自動移行というのがかえって使い勝手が悪く、
おまけに500ポイント→20マイルとレートもあまりよくないし)。

ですから、関西以外の人にとっては、ショップdeポイントは無用の長物に近いというか
むしろ、まったくないものとして考えても差し支えないと個人的には思ってます。

けれど、後払い式ならではの利点というか、公開されてない情報が明らかになり
疑問点が解消されたうえで、秘めたるポテンシャルがうまく利用できれば
PiTaPaは使えないどころか、王者・Suicaにもじゅうぶん対抗できる存在になりうるとも
思っているのですが、いかがでしょうか。

以下は、紙のパンフレットが一昨年(2011年4月)発行のものしか手元になく
インターネットで検索しても、詳細に乏しいという環境のなかで、多分に推測や憶測なども交えたうえで、
以前から注目している交通系電子マネーであるPiTaPaについて、思うところを書いてみることにします。

まず、PiTaPaはどこともつながってない、孤高の電子マネーと思いがちですが
現時点では、同じ関西エリアが対象であるJR西日本の「ICOCA」とは
IC乗車券の分野においては、相互利用が可能になってます。
*買い物用電子マネーにおいては、相互利用できません

もっとも、ICOCAエリアも後払いで乗れるというわけではなく
あらかじめ、PiTaPaカードにチャージ(入金)しておき、そのチャージされた金額の範囲内で、
ICOCAエリアの交通利用が可能になるということです。
*不足分がPiTaPaの後払いで充当されることはありません

したがって、2013年3月23日にPiTaPaとの相互利用が可能になるSuicaなどのエリアで
PiTaPaを使う場合も、ICOCAと同じように、あらかじめチャージされた金額の範囲内で
電車やバスに乗ることができるというルールが適用されると思います。
すなわち、原則として後払い式のPiTaPaであっても、PiTaPaエリア以外で乗車券として使う場合は、
ほかの交通系電子マネーと同様に、事前チャージの準備が必要(=使い勝手は一緒)であると
いえるでしょう。

逆に、Suicaなどのプリペイド式交通系電子マネーを、PiTaPaエリアで使うには
現在のICOCAと同様、ふだんどおりに、自動改札機やバス・路面電車乗降口にある
読み取り部分にタッチすれば、利用区間の普通運賃分がチャージ額から減額される形になり、
こちらもチャージ範囲内での乗車が可能というわけです。

次にチェックしたいのが、PiTaPaへのチャージ方法。
紙のパンフレットによると、PiTaPaはJR西日本ICOCAエリアのほか、PiTaPaエリアの一部の駅でも、
券売機にて現金によるチャージができるそうです。
また、手持ちのPiTaPaカードにあらかじめオートチャージ機能を登録したうえで
PiTaPaエリアの改札機にタッチしたときに、カード内のチャージ残額が1,000円以下であった場合、
自動的に2,000円がチャージされます。
*金額はいずれも固定
*ICOCAエリアではたとえ残額が1,000円以下であっても、オートチャージされません
(ICOCAエリアでこそオートチャージしてほしいと思うのですが…)

2013年3月に全国に相互利用エリアが広がったときには、チャージはどうなるかはまだ不明ですが、
少なくとも現金チャージは、ほかのエリアの駅でもできるようになってほしいというのが、せめてもの願い。
*これが実現しなければ、PiTaPaの評価はガクンと下がりそう…

一方、オートチャージについては、こちらも相互利用エリア拡大を機に
ほかのエリアでもオートチャージが可能になってほしいのはヤマヤマなのですが
個人的には、もっと気になることがありまして。

それは、オートチャージされた金額は後で、ひも付けされているクレジットカードの利用代金と
一緒に引き落とされることはわかっているのですが
オートチャージによって、クレジットカードのポイントは積算されるのか、ということ。

ライバルのPASMOは、この点、結構はっきりと「オートチャージでどんなポイントが付くか」
明記していることが多いんですけど。
*クレジットカードごとに異なりますが、オートチャージではクレジットカードの
ポイントが付与されるのが一般的です

ところがPiTaPaの場合、対応クレジットカードのページを検索しても
オートチャージでのポイント加算については、はっきりと書かれてないことが多くって。

じつは現在、手持ちのクレジットカードで交通系電子マネーへのチャージができ
ポイントもたまるものを探しているところだったりしますが、その候補にANAカード
(VISA、MasterCard、JCB)に追加発行できる「ANA PiTaPaカード」がありまして。

しかし、ANAカードのサイトを見ると、「ショップdeポイント」とマイルの相互交換が
可能である旨は書かれてあっても、オートチャージについては記載がなく。

せいぜい、ポイントの付与について、「ANA PiTaPaカードのご利用分については、
ANA VISA・MasterCardの“ワールドプレゼント”ポイント及びANA JCBカードの
”Oki Dokiポイント“は付与されません」と書かれている程度ですが
オートチャージが果たして「ANA PiTaPaカードのご利用分」にあたるのか
はっきりとはわかりかねるんですよね。

さらに、三井住友カードのワールドプレゼントポイント(VISA、MasterCard)や
JCBのOki Dokiポイントは、モバイルSuicaやSMART ICOCAへのチャージでは
一部の提携カードを除きポイントが付与されないと、各カードサイトに明記されていても、
PiTaPaのオートチャージについては、何も書かれていません。

ほかのPiTaPaが付けられるクレジットカード・鉄道会社・局のサイトをあたってみても。

●オートチャージ分はポストペイご利用分と合わせて、ご指定口座から引き落とします
(阪急電鉄)

●オートチャージされた金額は、PiTaPa交通ご利用代金と合算して引き落とされます
(神戸市交通局)

●オートチャージを行った代金のお支払いも、一括後払いにてご請求いたします
(南海電鉄)

●オートチャージされた金額は、ICクレジットカード KIPSおよびスーパーICカード
KIPS+PiTaPaのご利用代金と合算して決済口座より自動引き落としとなります
(東京三菱UFJ-VISA、近鉄との提携カード)

まあ、合算して引き落とし、なんて書かれてると希望はもてるのですが
いずれにしても、ポイント付与については明らかにされてないものばかり…。

ただ、ポイントが付くにしても、オートチャージされる場所がこれまでどおり
PiTaPaエリア内の改札機にとどまるのであれば、関西エリアにはそんなにひんぱんに行くわけではない
自分の場合は、PiTaPaを持つ意味はあまりないような気がしますけどね。
*東京から最も近いPiTaPaエリア、静岡鉄道に青春18きっぷかなんかで行ってオートチャージを繰り返す? 
これもまったく非現実的

結局、関西在住者でなければ、PiTaPaのもつ社局を超えた割引制度を
最大限に利用するチャンスはないといえそうです。
それでも、後払い式のほうが何かと都合がいいと考える人も多いし
また、「使わないかもしれないお金を前もってチャージしておくよりは、使った分だけ後で払うほうがいい」
「乗った分、買った分だけたまるポイントで割引がきき、さらにおトクに乗れる」と、
関西らしい合理性に富むPiTaPaを支持する人も決して少なくないし
使ってみると、予想以上の便利さに手放せなくなるという声があるのも事実のようで。

チャージの件も含め、ほかのエリアに住む人にも魅力的なサービスが用意されている、
あるいはこれから設けられることがわかれば。
ほかの交通系電子マネーから乗り換える人も、案外少なくないかもしれませんね。


お読みいただきましてありがとうございます。次回もお楽しみに。
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