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JAL見学会で貴重な体験 [主にJAL]

先日(2012年2月18日)、リンクシェア企画の「JAL見学会」に参加。2種類の救難訓練体験や
エグゼクティブクラス機内食の試食など、楽しいひとときを過ごしてきました。

じつは2年前にも、リンクシェアの「JAL日本航空 機体整備工場見学会」に応募し、当選。
参加証までいただいていたのですが、直前になって、母が危篤ということで
急遽、実家に帰らなければならなくなり、出席を断念…。
いわば2年越しの夢だったJAL見学会への参加が、やっと実現に至ったというわけです。

前夜の雪がやみ、少し冷たい風が残るけど、青空が広がる昼下がりの都内某所、
羽田空港にごく近い場所に参加者たちが集合。
最初に向かったのは、看板を見るだけで気が引き締まりそうな「非常救難訓練センター」。
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そう、今回の見学会にはメインイベントが2つあるのですが、そのうちの1つが「非常救難訓練」。
映画やドラマの飛行機事故のシーン、あるいはキャビンアテンダント(CA)の訓練を扱ったドラマや
ドキュメンタリーでは必ずといっていいほど出てくる非常時の緊急脱出(訓練)ですが、
もちろん一般の人たちは、たとえ訓練であってもまず経験しませんよね?
ちなみに私、20年近く前(!)は航空雑誌の編集者をしていて
JALでも成田の整備場とか新塗装機の発表会とか女性パイロットのインタビューなどなど
さまざまな取材をさせていただきましたが、非常救難訓練はさすがに未体験。
今回が正真正銘の初体験ということで、以前から楽しみ(?)にしていました。

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ちょっとした体育館のようなスペースに、JAL塗装をまとったいろんな機種がズラリ。
隅のほうには、まだJALでは飛んでない787のドアトレーナーも…。
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高さ3.9メートルあるという「滑り台」。このスライダーを実際に滑り降りるんですよ!
ちなみに参加者には「スカートではなく、パンツスタイルでお越しいただくこと」や
「ヒールの高い靴、サンダル、厚底の靴は避けて、スニーカーなどの運動靴でお越しください」との
事前案内が届いてました。なるほどね。
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さ~あ、早速脱出訓練だ~、とその前に。動きやすい服装で来ていた我々だけど今回は、あくまで訓練。
万一のケガがないようにと、まずはラジオ体操。
これがなんと、JALは外国人の社員も多いということで、全編英語!
「腕を前に回して、背伸びの運動~!」なんて、英語での号令。
正確にはなんと言っているのかわからなかったけど(苦笑)、学生時代以来のラジオ体操。
遠い記憶も頼りに、皆さんの動きを真似て…。

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その後、スタッフの実演による「スライダーを滑り降りるときの正しい姿勢」。
足は少し開いてまっすぐ伸ばし、こぶしを前に突き出して前傾姿勢で。

いったん747モックアップの機内に入り(なんとこのモックアップ、右側は777、
左側は767仕様のドアになっているそう。これでいろんな機種の訓練ができるのね)、
最初にご挨拶と、CAを含む今回担当のスタッフたちの自己紹介。
それから、訓練に関してのレクチャーを受けました。

覚えておいてほしいのは、CAの役割は何より「保安要員」であること。

代表的な訓練には、ドラマなどでおなじみの「新人養成訓練」のほか、
出産や病気などで6カ月以上休んでいたCAを対象に行なわれる「復帰訓練」、
担当機種が替わるごとに行われる「型式訓練」、そして年に一度の「定期救難訓練」の4つがあること。

このうち定期救難訓練は、午前中に筆記と座学の試験、午後に実技試験があるそうですが
試験に合格しないと、その後、乗務が一切できなくなるという大変に厳しいもの。
どの訓練でもそうですが、試験前などはかなり胃の痛い思いをするとのことです。
(その気持ち、よくわかる…)

「離陸の3分間、着陸の8分間」という言葉が示すように、離着陸の前後が特に
安全に関して注意しなければならない時間。社員向けの救難訓練ビデオを特別に見せてもらったり、
ドアの前で身体を張って実演するCAの姿を見ているうちに、こちらの気分も、高揚してきます。
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そのうち、パイロットの緊急事態発生アナウンスが。すると間髪入れず、
「頭を下げてー!」などとCA全員が、日本語と英語で繰り返し大声で。
叫ぶのではなく、パニック状態になっている乗客たちの気持ちを鎮めようと、極力ゆっくりと、
落ち着きのある口調で、大きな声を出し続けます。

こちらは教わったように、前の座席の背もたれをつかんで前かがみになる。
あるいは、前席との間が広い座席の場合は、自分の足首をつかんでやはり前かがみに。
次の指示があるまで姿勢を保ったまま。頭上をなおも飛び交うCAたちの大声。

オートマチックモードになっていたドア(飛行機は、緊急時に素早く脱出用のドアが開くように、
飛行時はオートマチックモードになっています。逆に平常時に、空港に待機しているときは、
勝手にスライダーが飛び出さないようにドアはマニュアルモードになっています。
飛行機に乗ったときなど「ドアモードをマニュアルにしてください」などという
CAのアナウンスを聞いたことがあるかたも多いと思います)が開き、
今回は777仕様のドアに付いたスライダーから、二人一組になって滑り降ります。

レクチャーを受けたおかげと、訓練だという安心感(?)もあって、
「意外とスムーズに滑れた」という感想をもちましたが、実際はもっとパニクってるはず。

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自分の姿を撮影するわけにはいかないので、ほかのかたの様子を。
*ちなみに本番(!)では、荷物をすべて座席に置いて、身一つで脱出しなければなりませんので、
自分はもちろん、他人の姿を撮影しているヒマはありません

また脱出時には、乗客の協力を仰ぐことになるのですが、その人の肩書きなどにかかわらず、
ドアそばに座っているかたを中心に「アナタとアナタは、これをやって!」などと、
CAから”命令”されてしまいます。
その口調は平常時に聞くと、思わずムカッときそうになるかもしれませんが、何しろ命に関わる非常時。
指名されたら、すすんで協力しましょう。

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スライダーによる脱出のほか、海上に不時着した場合の緊急脱出訓練も体験させてもらいました。
事前に、座席の下などに置いてある救命胴衣を着用し
本当に水の張ってあるプールに浮かんだ大きなボートに、そろって移動。

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後で、その救命胴衣を実際に膨らませるという体験もしましたが、それがアナタ、
メチャクチャ苦しいの何のって! 首がグワッと締め付けられ、下も全然見えないし
時間が経つにつれ、本当に息ができなくなりそうに…もちろん非常時にはワガママは言っていられませんが、
やはり体験したくないですね。

さて救難訓練体験の後は、ビルを移って、今度は夢の体験。
普段は大量のマイルなり、それなりのお金を払ったりしないと、乗ることができない
飛行機のビジネスクラス(JALではエグゼクティブクラス)の機内食を
特別に、試食させてもらえるという体験です!

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いろんな機材・クラスの、サービス訓練用の座席が並ぶなか、プライベートな空間で
自由に好きなエンタメが鑑賞できるシステム「MAGICⅢ」という機能を備え、
テンピュールの寝具でくつろぐことができるファーストクラスの座席も、通路にポツンと置かれてました。
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機内食の盛り付けや飲み物の準備などを行なう飛行機のギャレーは、
航空雑誌編集者時代にも取材させていただいたことがあるのですが、限られた空間のなか、
現場はまさに「激闘」状態。時間と戦いつつ、乗客の要求に応えていかなければなりません。
電子レンジや炊飯用のライススチーマーなども完備されてました。
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いよいよ試食開始。この日の参加者のため、特別に作っていただいた「航空券」を手に、
指定された座席に着席。訓練用の座席のせいか、前方のスクリーンには映画ならぬギャレーの様子が丸見え。
訓練のときはもっと緊張してるんでしょうけど、今回はいくぶん和気あいあいとした感じで、
サービスを進めている様子がうかがえます。

ここでも担当スタッフやCAのご挨拶の後、JALのサービス展開について説明。
きめ細やかなサービスが特徴という、日系航空会社ならではの伝統は活かしつつ
利用者の意見や、社員のアイディアも取り入れながら、サービスにおいても少しずつ
改革を進めているJAL。例えば、当ブログでも紹介した「AIRモスバーガー」や
「AIR肉まん」に続き、新しい「AIR**」もまもなく登場しますよと発表があったりして…。

ニューヨーク線を想定したエグゼクティブクラスでは、パーソナルサービスと称し
ひとりひとりの乗客に対し、担当乗務員がひとりずつ決められ、搭乗から降機までお世話をするのだそう。
それに基づき、おもてなしが展開されました。

まずは食前の飲み物。いつものように私はJALの定番、スカイタイムをオーダー。
ゆず味かと思いきや、最近、シークワーサー味に変更されたそうで、爽やかな喉ごしに、早くも大感激。

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オードブルの前にアミューズ・ブーシュ、居酒屋では「付きだし」にあたるものですが
鱈のエスカベッシュ(中央)と、セロリラブのムース 海老のマリネとハムを添えて(左)を、
スカイタイムの隣に。もう、この時点から絶品の味!

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オードブルでは、(渡されたメニュー表によると)次の3品が登場。
・サーモンと蟹のテリーヌ アイオリソースと共に
・ラムロースト シャンピニオンムースを添えて
・フォアグラテリーヌ ポルトゼリーと共に

大皿に見目麗しく盛り付けられたオードブルの隣には、グルメ垂涎のメゾンカイザーのパンも!
これがまた、たまらなくおいしいんだなあ。

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そしてメインディッシュ、私は「魚」をチョイスしたら
イトヨリ”巣籠”スタイル バルサミコソースと共に が、登場しました。
濃厚なソースが、付け合わせ野菜とともにイトヨリの風味を引き立てます。
その隣には、JALご自慢の炊きたての味が楽しめる、新潟県魚沼産のコシヒカリが。

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隣の人の和食も撮影させてもらいました。「京料理 わた亀」五代目による
九つの小鉢膳「旬味彩菜」です。思わず、目移りしそう! 赤い鶴の箸置きがかわいいアクセント。

デザートのヨーグルトムースと黒胡麻ババロアに至るまで、至福のひととき。
このまま、時間が終わってほしくないと、切に願ってました。

でも、楽しかった見学会もついに終了。最後は、担当CA手書きのメッセージカードと
ファーストクラスでしか使われない、専用のマグカップまでお土産にいただきまして。
心に残る思い出が、つくれました。参加してよかった!

今回はブログ記事の審査により、18名のブロガーが参加者に選ばれましたが
ほかのかたの声を聞くと、昨年も参加したとか、または一昨年から続けて参加している人も、
少なくないようで。

その気持ち、よくわかります。楽しさのなかにも、学べることがたくさんあって。

百聞は一見に如かずといいますが、体験を通して、JALの「安全運航」に対する真摯な姿勢と、
機内サービスのさらなる充実を目指して、努力を惜しまない方針を知ることができただけでも、
大変ありがたく思ってます。

特に救難訓練は、一般の人も体験できる機会を設けてもいいのではないかと思ったし。
(それほどまでに有意義なもの。準備はなかなか大変でしょうが…)

それに、常日頃は「ちょっとの我慢だから、同じお金を払うなら高い座席でたまに海外に行くよりも、
安いシートでも構わないから何回も海外旅行をするほうがいい」と
あえてエコノミークラスを選んだりする私ですが、エグゼクティブクラスの食事を体験して、
やっぱりエグゼクティブがいいなと、本気で思いました!
*JALはエコノミークラスのサービスもレベルが高いんですけどね

JALの皆様、そしてリンクシェアの皆様。一介のブロガーに過ぎない自分を含めた参加者に、
普段はめったに体験できないひとときを提供してくださいまして
本当にありがとうございます。心からお礼申し上げます。

来年、また同様のJAL見学会があったら、ぜひ再度の参加を申し込みたいと思います。

そして、ひとりでも多くの人たちに、空の旅の楽しさと、それを実現させるためのマイルのためかた、
使いかたを伝えるため、当ブログも引き続き尽力していきたいと考えております。
これからもよろしくお願いします。

*文中敬称略


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