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「交通系ICカードの相互利用サービス実施に合意」で驚いたこと [電子マネー・QRコード決済]

皆さんこんにちは。じゅめいむこと、元祖・鉄子としても知る人ぞ知る
トラベルライターが本業の岩間昌子です。

すでに昨日のうちに発表が行なわれ、ニュースなどでも報じられましたから
ご存じのかたも、大勢いらっしゃると思いますが。

全国各地、主に大都市圏を中心に導入されている、自動改札機にタッチするだけで
鉄道やバスなどの利用ができる、いわゆる「交通系ICカード」の発行11者(*)において
いよいよ、平成25(2013)年春から相互利用サービスを実施することに合意したそうです。

相互利用サービスを実施する交通系ICカードは、以下の10種類です。
*カッコ内は呼び名とカード発行会社、URLはリリースの出ているページ。☆印はPDF形式
(*)manacaは2社から発行されているため、10種類11者(社)となります。

Kitaca(キタカ、北海道旅客鉄道株式会社)

PASMO(パスモ、株式会社パスモ)

Suica(スイカ、東日本旅客鉄道株式会社)
http://www.jreast.co.jp/press/2011/20110512.pdf

manaca(マナカ、株式会社名古屋交通開発機構及び株式会社エムアイシー)

TOICA(トイカ、東海旅客鉄道株式会社)
http://jr-central.co.jp/news/release/nws000769.html

PiTaPa(ピタパ、株式会社スルッとKANSAI)

ICOCA(イコカ、西日本旅客鉄道株式会社)

はやかけん(福岡市交通局)

nimoca(ニモカ、株式会社ニモカ)☆ *西鉄系
http://www.nishitetsu.co.jp/release/2011/11_012.pdf

SUGOCA(スゴカ、九州旅客鉄道株式会社)

JR四国を除くJRの旅客会社5社のICカードと、首都圏に関西圏、そして名古屋・福岡の
各大都市エリアで使われている私鉄・公営交通系合計5つのICカード、
あわせて10種類の交通系ICカードで、2年後には相互利用サービスが実現されるとは。

これまでも複数の交通系ICカード間で、相互利用サービスは行なわれていますが
とにかく、どれどどれが相互利用できるのか、わかりにくいことこの上なく。
なかにはA社とB社、B社とC社はそれぞれ相互利用できるのに
A社とC社が相互利用できないケースもあったりして「いったいどーなっとるんじゃ!?」と
訴えたくなるような気持ちにも(苦笑)

それが今回の合意で、北海道から九州まで、メジャーどころを網羅した格好になり
いずれか1枚あれば、全国の大都市圏にある交通機関はほぼ小銭いらずで乗れるようになります。

これまではどうしても、相互利用できる交通機関が多いSuicaなどに人気が集中していましたが、
10種類のカード相互利用化実現後はお住まいの地域とかで
手に入りやすいICカード1枚を購入すれば、それでOK。
地元の店から遠くの鉄道まで、利用の可否をほとんど気にせずに使えるようになります。

また逆に、住んでる地域にこだわらず、自分にとって本当にお得で使いやすい
ICカードを選べるようにもなります。
ひも付けできるクレジットカードや交換できるポイント・マイル、乗車ポイント制度、
お得なサービスの数々…Suicaのほかにも魅力的なICカードはたくさんあります。
むしろ今後は、相互利用の問題がひとまずクリアされることで、それ以外のところで
お互いが勝負できる土壌が整備されていくのではないでしょうか。

いや、この記事に、あえて
「交通系ICカードの相互利用サービス実施に合意」で驚いたこと
と、タイトルを付けさせていただきましたが、別に10種類ものICカードが
一挙に相互利用化されるなんて、ということ自体に驚いてるわけではありません。

すでに昨年の12月には、表記の11者間で「10の交通系ICカードによる相互利用サービスの
検討開始」が報じられており、何を隠そう当ブログでも、2010年12月22日付の記事で
検討開始のニュースについては触れております。

まあ、今回の決定では、鉄道やバスの乗車に関わる部分だけではなく
買い物に関わる、各交通系ICカード加盟店での電子マネーとしての利用でも
相互利用化が実現するとのこと。正直、案外早く実現するんだなと思いました。
大震災などの影響で、しばらく先のことになるのではと心配してましたから。

そう、買い物利用の分野では、10種類のうちPiTaPaだけが相互利用網から
外れてしまいますが、これも、PiTaPaだけが後払い式で、ほかと大きくシステムが
異なりますから、ある意味致し方のないこと。驚くには値しません。

じゃあPiTaPaは持っていても不利かなあと思いがちですが、交通機関では
ほかと相互利用できるようになりますし、後払い式が好みという人は
遠方に住んでいても、あえてPiTaPaをチョイスするというのもひとつのやり方。
何しろ、クレジットカード利用料金と合算して後払いですから、
一部のチャージ式電子マネーのように「チャージしてもポイントが付かない」という
事態に悩まされることもなく、買い物でひも付けクレジットカードのポイントを貯める
楽しみもありますし。PiTaPa加盟社局の交通機関の割引制度もかなり充実してます。

*PiTaPaには電子マネーでの買い物でポイントが付く「ショップdeポイント」制度があり、
ためたポイントをJALやANAのマイルに交換することもできますが
正直、還元率があまりよくありませんので、ためたポイントはあくまで交通機関の
割引に使うことに徹したほうがいいと思います。

いや、今回ちょっと驚いたことといえば、じつは。
リリースからさらにPDF形式になった別紙にアクセスして、わかったことですが。

10の交通系ICカードが利用可能になる交通事業者の一覧が書かれてまして。

そのなか、Suica陣営に、以下の各社局が掲載されてました。

札幌市交通局

北海道中央バス

じょうてつ

ジェイ・アール北海道バス

いや、これらの交通事業者での利用開始は平成25年度を予定、と書かれてますが
確か、札幌市営地下鉄に導入されている「SAPICA(サピカ)」というICカードが
平成25年4~6月頃を目標に、ジェイ・アール北海道バス、じょうてつバス、
北海道中央バスや札幌市電(路面電車)への導入を予定。そして、同じ時期に
KitacaやSuicaなど(Suicaと相互利用できるほかのICカードも含む)が、
SAPICAエリアでも使えるようになるというニュースは報じられていましたが。

この一覧表には、SAPICAの名前は出てませんで
「ひょっとしてSAPICAはSuicaに集約されて、一挙に札幌地区のバス会社や地下鉄などが、
Suica陣営に仲間入り。全国ブランドのICカードに様変わりしちゃうの!?」とも、
読み取れるような書かれかた。
*いやはや、Kitacaのほうに入るんじゃないんだ…。

SAPICAのサイトには、この件に関する案内は出てませんで。詳細は不明。

とにかく今後とも、SAPICAの行方に限らず、交通系ICカードに関する
新しいニュースがあり次第、つとめて当ブログでお知らせしようと思ってます。
何とぞ、よろしくお願い申し上げます。


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