2013年6月22日、札幌市内などのバスや路面電車でSAPICAやSuicaなどが使えるように [電子マネー・QRコード決済]
大手10種類の交通系ICカードが全国規模で相互利用開始される2013年3月23日まで、
もう秒読み段階となりました。
…うーん、でもそのわりにそれほど盛り上がってないような気もするなあ。
参加ICカード共通で、豪華賞品が当たるキャンペーンでも打つのかなと期待してたのに、
そんな気配はいまだなく。せいぜい、記念のICカードが発行されるくらい…。
それでもサービス開始直前になって、先日、こんなニュースが飛び込んできました。
バス・市電でのSAPICAのサービス開始
http://www.sapica.jp/view/docs/2013031401_press.pdf(PDF)
札幌市交通局等におけるSuicaのサービス開始について
http://www.jreast.co.jp/press/2012/20130309.pdf(PDF)
この2つのニュース、一見、何の関係もなさそうだけど、じつは大あり。
というのも、舞台は札幌市を中心としたバスや路面電車のエリア。そこで、
1.これまで札幌市営地下鉄でしか使えなかったICカード「SAPICA(サピカ)」が
2013年6月22日より、札幌市内を中心としたバス路線や路面電車(市電)で
使えるようになる
2.それらのバスや路面電車、および札幌市営地下鉄で、SuicaやKitaca、
およびSuicaと相互利用できるICカードが使えるようになる
それぞれ見ていきましょう。
まずは1.から。
SAPICAは札幌ICカード協議会が事業主体となり、札幌総合情報センターが発行、
2009年より利用が開始されたICカードのこと。
今に至るまで使えるのは札幌市営地下鉄だけですが、当初からバスや路面電車への導入が予定されており、
あとはいつ、どのような形で、というところまで話が進んでいたはず。
で、先日出た上記のリリースによると、2013年の6月22日(土)始発より、
共通ウィズユーカードというプリペイドカードが使える札幌市内のバスや路面電車を含め、
次の路線でSAPICAが使えるようになります。
<ジェイ・アール北海道バス>
札幌市内全路線
札幌市内を含む郊外路線(小樽、江別、北広島、南幌、長沼)
高速バス(小樽)
<じょうてつ>
札幌市内全路線
<北海道中央バス>
札幌市内全路線
札幌市内を含む郊外路線(石狩、千歳、江別)
札幌近郊の郊外路線(北広島、江別、千歳)
高速バス(小樽、余市、岩内、積丹、ニセコ、苫小牧、室蘭、岩見沢、三笠、美唄、栗山、夕張、
新千歳空港連絡バス)
<路面電車(市電)/札幌市交通局>
全線
*結構、広い範囲で使えるようになりますね。高速バスへの適用もうれしい限り
*バス・路面電車での「SAPICA定期券」については、2014年2月開始予定
また、同時にバスや路面電車でも開始されるサービスとして「地下鉄との乗継割引」
「利用金額の10%がたまり、運賃の支払いに使えるSAPICAポイント制度」
「バスや路面電車内でのチャージ(車内ではSAPICAの販売は行なわない)」
「オートチャージサービス」のほか、なんといっても注目なのが、
上記2.で取り上げた「SAPICAエリアでのKitaca・Suica等の利用サービスの開始」!
同じく2013年6月22日より、札幌市営地下鉄・バス・路面電車で
JR北海道のKitaca、JR東日本のSuica、およびSuicaと相互利用できるPASMO、manaca、
TOICA、PiTaPa、ICOCA、はやかけん、nimoca、SUGOCAが使えるようになります!
*2013年3月23日以降、Suicaと相互利用できるようになる予定のICカードを含む
これはスゴイ! 今まで、同じ地域とはいえKitacaとさえ相互利用サービスは提携してなかったのに、
あと3カ月ちょっとで、一挙にSAPICAは全国区に!
これら相互利用可能なICカードをお持ちのかたはもちろん、SAPICAをお持ちの、
またはこれから持とうと思っている札幌エリア在住・在勤のかたにも、大変喜ばしいニュースだと思いきや。
…じつは、手放しで喜べない事情もあるようです。
リリースに添えられた注意書きによると。
1.SAPICA以外のICカードで地下鉄・バス・路面電車をご利用の場合、
SAPICAポイントはたまらない。
あ、これは当然でしょう。ほかのICカードだっておしなべてそういうルールが適用されてますし。
しかし、次の2つは、SAPICA持ちのかたにはちょっとショックなルールです。
2.SAPICAでは、Kitaca・Suica・およびSuicaと相互利用している各カードのエリアは
利用できない。
3.Kitaca・Suica・およびSuicaと相互利用している各カードは、
SAPICA電子マネーサービス加盟店で電子マネーとしては利用できない。
(SAPICA加盟店がそのほかの交通系電子マネー加盟店にもなっている場合は除く)
…いや、つまり、SAPICAっていわゆる「片利用」として
交通系ICカードネットワークに参加するってことかな?
AエリアとBエリアの2つがあるとして、AエリアのカードはAとB両方で使えるけど
BエリアのカードはBでしか使えないという「片利用」は、2013年3月23日以降に大手ICカードが
使えるようになる予定の中小の事業者エリアを含めれば、いくつかの例があります。
(例:「PASPY(パスピー)」が使える広島電鉄・アストラムライン・宮島フェリーなどに、
ICOCAを使って乗ることができるが、その逆に、PASPYをICOCAエリアの鉄道などで使うことはできない)
ですから、ぶっちゃけた話、たとえSAPICAを持ってても他地域の鉄道やバスはおろか
地元のJR北海道の列車にも乗れないというわけです(逆にKitacaを持ってれば、
札幌市営地下鉄や、札幌市内を中心としたバス路線や路面電車には乗れるんですけどね)。
また、交通機関以外にSAPICAが使えるSAPICA電子マネーサービス加盟店も、
2011年3月の「元気カフェ・宮田屋(札幌市役所1階)」を第1号として順調に増え、
今やおよそ920件もの加盟店を数えるまでに。
ところが、せっかくSAPICAエリアに行って、KitacaやSuicaなどで地下鉄やバス、
路面電車に乗れても、SAPICA加盟店ではその電子マネーで買い物や飲食などが
できないってわけです。
まあ、例えばSAPICA加盟店のなかでも一大勢力をもつコンビニのセイコーマートでは
KitacaやSuica、さらにはiD、QUICPay、Edyなどがはなから使えますから、
あまり実害はありませんが。
*というか、SAPICAは札幌市内のセイコーマートでしか使えないよう
こうしてみていくと、KitacaやSuicaなどを持ってる人にとっては、
札幌市内や近郊の交通機関を利用する場合の利便性が大幅に向上しますが、
SAPICAユーザにとっては、持ってても、他のエリアで使えるわけじゃないし
あんまりお得じゃないっていうか…。
もし、仕事や旅行などで他地域によく行かれるSAPICAユーザのかたなら、
ほかの交通系電子マネーに乗り換えるほうがおすすめといえるかもしれません。
うーん、以前、このブログでも取り上げたことがありますが
2011年5月発表の、交通系ICカード相互利用サービス実施に合意のリリース内にて
Suica陣営に「SAPICA」が含まれていたのを見たときは、将来的にはSAPICAは
Suicaに取り込まれ、ひょっとして合併されるのか、あるいはそこまでいかなくとも
少なくともSuicaとSAPICAの間で、完全な形で相互利用が実現するのかと思ったのに。
これでは正直言って、俄然、Suicaを持ってるほうが有利という結論に落ち着きそうです。
「Suica一強」は崩れないのかな…。
一見、華やかに宣伝がされている交通系ICカードの相互利用サービス開始。
でも、よく調べてみると、思っても見なかったことがわかったりして。
次回は、関西のPiTaPaエリアで、「全国相互利用サービス対応路線」から外れる路線が
相当数あることをお伝えしたいと思います。それでは、また。
お読みいただきましてありがとうございます。次回もお楽しみに。
よろしければいずれか、クリックを。今後とも応援よろしくお願いします。
もう秒読み段階となりました。
…うーん、でもそのわりにそれほど盛り上がってないような気もするなあ。
参加ICカード共通で、豪華賞品が当たるキャンペーンでも打つのかなと期待してたのに、
そんな気配はいまだなく。せいぜい、記念のICカードが発行されるくらい…。
それでもサービス開始直前になって、先日、こんなニュースが飛び込んできました。
バス・市電でのSAPICAのサービス開始
http://www.sapica.jp/view/docs/2013031401_press.pdf(PDF)
札幌市交通局等におけるSuicaのサービス開始について
http://www.jreast.co.jp/press/2012/20130309.pdf(PDF)
この2つのニュース、一見、何の関係もなさそうだけど、じつは大あり。
というのも、舞台は札幌市を中心としたバスや路面電車のエリア。そこで、
1.これまで札幌市営地下鉄でしか使えなかったICカード「SAPICA(サピカ)」が
2013年6月22日より、札幌市内を中心としたバス路線や路面電車(市電)で
使えるようになる
2.それらのバスや路面電車、および札幌市営地下鉄で、SuicaやKitaca、
およびSuicaと相互利用できるICカードが使えるようになる
それぞれ見ていきましょう。
まずは1.から。
SAPICAは札幌ICカード協議会が事業主体となり、札幌総合情報センターが発行、
2009年より利用が開始されたICカードのこと。
今に至るまで使えるのは札幌市営地下鉄だけですが、当初からバスや路面電車への導入が予定されており、
あとはいつ、どのような形で、というところまで話が進んでいたはず。
で、先日出た上記のリリースによると、2013年の6月22日(土)始発より、
共通ウィズユーカードというプリペイドカードが使える札幌市内のバスや路面電車を含め、
次の路線でSAPICAが使えるようになります。
<ジェイ・アール北海道バス>
札幌市内全路線
札幌市内を含む郊外路線(小樽、江別、北広島、南幌、長沼)
高速バス(小樽)
<じょうてつ>
札幌市内全路線
<北海道中央バス>
札幌市内全路線
札幌市内を含む郊外路線(石狩、千歳、江別)
札幌近郊の郊外路線(北広島、江別、千歳)
高速バス(小樽、余市、岩内、積丹、ニセコ、苫小牧、室蘭、岩見沢、三笠、美唄、栗山、夕張、
新千歳空港連絡バス)
<路面電車(市電)/札幌市交通局>
全線
*結構、広い範囲で使えるようになりますね。高速バスへの適用もうれしい限り
*バス・路面電車での「SAPICA定期券」については、2014年2月開始予定
また、同時にバスや路面電車でも開始されるサービスとして「地下鉄との乗継割引」
「利用金額の10%がたまり、運賃の支払いに使えるSAPICAポイント制度」
「バスや路面電車内でのチャージ(車内ではSAPICAの販売は行なわない)」
「オートチャージサービス」のほか、なんといっても注目なのが、
上記2.で取り上げた「SAPICAエリアでのKitaca・Suica等の利用サービスの開始」!
同じく2013年6月22日より、札幌市営地下鉄・バス・路面電車で
JR北海道のKitaca、JR東日本のSuica、およびSuicaと相互利用できるPASMO、manaca、
TOICA、PiTaPa、ICOCA、はやかけん、nimoca、SUGOCAが使えるようになります!
*2013年3月23日以降、Suicaと相互利用できるようになる予定のICカードを含む
これはスゴイ! 今まで、同じ地域とはいえKitacaとさえ相互利用サービスは提携してなかったのに、
あと3カ月ちょっとで、一挙にSAPICAは全国区に!
これら相互利用可能なICカードをお持ちのかたはもちろん、SAPICAをお持ちの、
またはこれから持とうと思っている札幌エリア在住・在勤のかたにも、大変喜ばしいニュースだと思いきや。
…じつは、手放しで喜べない事情もあるようです。
リリースに添えられた注意書きによると。
1.SAPICA以外のICカードで地下鉄・バス・路面電車をご利用の場合、
SAPICAポイントはたまらない。
あ、これは当然でしょう。ほかのICカードだっておしなべてそういうルールが適用されてますし。
しかし、次の2つは、SAPICA持ちのかたにはちょっとショックなルールです。
2.SAPICAでは、Kitaca・Suica・およびSuicaと相互利用している各カードのエリアは
利用できない。
3.Kitaca・Suica・およびSuicaと相互利用している各カードは、
SAPICA電子マネーサービス加盟店で電子マネーとしては利用できない。
(SAPICA加盟店がそのほかの交通系電子マネー加盟店にもなっている場合は除く)
…いや、つまり、SAPICAっていわゆる「片利用」として
交通系ICカードネットワークに参加するってことかな?
AエリアとBエリアの2つがあるとして、AエリアのカードはAとB両方で使えるけど
BエリアのカードはBでしか使えないという「片利用」は、2013年3月23日以降に大手ICカードが
使えるようになる予定の中小の事業者エリアを含めれば、いくつかの例があります。
(例:「PASPY(パスピー)」が使える広島電鉄・アストラムライン・宮島フェリーなどに、
ICOCAを使って乗ることができるが、その逆に、PASPYをICOCAエリアの鉄道などで使うことはできない)
ですから、ぶっちゃけた話、たとえSAPICAを持ってても他地域の鉄道やバスはおろか
地元のJR北海道の列車にも乗れないというわけです(逆にKitacaを持ってれば、
札幌市営地下鉄や、札幌市内を中心としたバス路線や路面電車には乗れるんですけどね)。
また、交通機関以外にSAPICAが使えるSAPICA電子マネーサービス加盟店も、
2011年3月の「元気カフェ・宮田屋(札幌市役所1階)」を第1号として順調に増え、
今やおよそ920件もの加盟店を数えるまでに。
ところが、せっかくSAPICAエリアに行って、KitacaやSuicaなどで地下鉄やバス、
路面電車に乗れても、SAPICA加盟店ではその電子マネーで買い物や飲食などが
できないってわけです。
まあ、例えばSAPICA加盟店のなかでも一大勢力をもつコンビニのセイコーマートでは
KitacaやSuica、さらにはiD、QUICPay、Edyなどがはなから使えますから、
あまり実害はありませんが。
*というか、SAPICAは札幌市内のセイコーマートでしか使えないよう
こうしてみていくと、KitacaやSuicaなどを持ってる人にとっては、
札幌市内や近郊の交通機関を利用する場合の利便性が大幅に向上しますが、
SAPICAユーザにとっては、持ってても、他のエリアで使えるわけじゃないし
あんまりお得じゃないっていうか…。
もし、仕事や旅行などで他地域によく行かれるSAPICAユーザのかたなら、
ほかの交通系電子マネーに乗り換えるほうがおすすめといえるかもしれません。
うーん、以前、このブログでも取り上げたことがありますが
2011年5月発表の、交通系ICカード相互利用サービス実施に合意のリリース内にて
Suica陣営に「SAPICA」が含まれていたのを見たときは、将来的にはSAPICAは
Suicaに取り込まれ、ひょっとして合併されるのか、あるいはそこまでいかなくとも
少なくともSuicaとSAPICAの間で、完全な形で相互利用が実現するのかと思ったのに。
これでは正直言って、俄然、Suicaを持ってるほうが有利という結論に落ち着きそうです。
「Suica一強」は崩れないのかな…。
一見、華やかに宣伝がされている交通系ICカードの相互利用サービス開始。
でも、よく調べてみると、思っても見なかったことがわかったりして。
次回は、関西のPiTaPaエリアで、「全国相互利用サービス対応路線」から外れる路線が
相当数あることをお伝えしたいと思います。それでは、また。
お読みいただきましてありがとうございます。次回もお楽しみに。
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はじめまして、通りすがりです。
Sapicaが他エリアで使え無いのには理由がありまして。
wikipediaに書いて有りますが、Sapicaは交通系電子マネーじゃ
ありません(仕様的に)。交通系電子マネーは実はSuicaの技術
(暗号キーだったかと)が入って居ます。他にはWAONやEdyの様な流通系カードの暗号キー体系があります。実はSapicaは交通系の暗号キーを採用せずに独自の体系になっています。ぶっちゃけJR東日本にライセンス料を払わないと交通系ICカードの暗号キー体系を使用できません、札幌市は財政が厳しいのでそれをケチりました。
その為、今回の乗り入れはSapica側の端末をSuicaにも対応するように改良(Sapicaのシステム自体、開発はJR東日本でやっています。Kitacaも同様。)
そのため今回の様な形になりました。
by 北野大地@札幌市民 (2013-03-23 19:26)