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公立図書館の利用で、ANAのマイルが貯まる? [暮らしでマイルをためる]

皆さんこんにちは。元祖・鉄子でもあり、「電子マ姐(ねえ)さん」としても売り込みを
図ろうとしているトラベルライター兼、電子マネー研究家・岩間昌子です。

ゴールデンウィーク中に記者を招いて、企業から公式発表が行なわれることは
わりと珍しいのではないかと思いますが、「みどりの日」の2012年5月4日、佐賀県武雄市と、
TSUTAYAやTポイントの運営で知られるCCC(カルチュア・コンビニエンス・クラブ)が
武雄市図書館・歴史資料館の企画・運営に関して、基本合意に至ったとの会見が、
東京・代官山の蔦屋書店(ずいぶん評判の良い書店のようですが、私自身はまだ
一度も行ったことがありません)で行なわれました。

まず基本合意の骨子としては「進展する高齢社会の中で、豊かな生活を実現するための
中核的施設として、武雄市図書館・歴史資料館をより市民価値の高い施設として
運営するにあたり、CCCが運営する「代官山 蔦屋書店」のコンセプト及びノウハウを
導入し、企画すること、及びそのための重要な手段として付属事業を展開することに
ついて、武雄市とCCCが提携することについて合意する」とのことです。

また、提携により、新しい(2013年4月1日運営開始予定)武雄市図書館にて実現する
9つの市民価値とは、具体的にいうと。
1.20万冊の知に出会える場所
2.雑誌販売の導入
3.映画・音楽の充実
4.文具販売の導入
5.電子端末を活用した検索サービス
6.カフェ・ダイニングの導入
7.「代官山 蔦屋書店」のノウハウを活用した品揃えやサービスの導入
8.Tカード、Tポイントの導入
9.365日、朝9時~夜9時までの開館時間

電子端末を利用した検索サービスの導入や、カフェを併設した公立図書館は
すでに実現していますが、夜遅くまで開館する図書館はあっても「年中無休」は聞いたことないし、
雑誌や文具の「販売」というのも、おおっぴらにやってる公立図書館があるという話も
聞いたことがないし、ましてや、

TSUTAYAをはじめ、複数の民間企業がプログラムに参加するTカードやTポイントを導入。
雑誌や文具を購入したり、あるいは本を借りたりするだけでも、参加企業が扱う商品や
サービス利用に使えるTポイントが、公共施設で貯まるなんて話は、まさに前代未聞。

例えば記者会見の場で、「1冊の本を借りて1ポイント程度の付与なら問題はないのでは。
もちろん無料で貸し出すが、そこにポイントが付くというのは、いわば販促費のようなものであり、
図書館法の枠内で収まると思う」と市長が述べたとか。

これでいうなら、ここの図書館でTカードを提示して、累計500冊借りたとしてTポイントは500ポイント。
これは、ANA250マイル分に相当。

お金を出して買い物をした場合、さらに「サービス」でポイントがもらえることはありますが、
構想どおりの図書館が実現すると、まったく無料で、飛行機の旅ができる
ANAの特典航空券が手に入るというチャンスが生まれることになりますね。
*資料請求を行なったり、懸賞で当たったりなどして「無料で」Tポイントが手に入ることも
多々ありますが、今回の場合は、これらとは性質の違うものでしょう

ここの市長さん(私よりも若い!)は、TwitterやFacebookを市政に活用しているかたとして
知られてますが、案の定、記者会見の場だけでなく、TwitterやFacebookでも
今回の発表に対して、熱い議論が巻き起こったそうです。

換金性のあるポイントが、公共サービスで付与されるのはいかがなものかという意見もあったそうですが、
それよりも圧倒的に多かったのは、「公立図書館の民間委託は個人情報保護の観点からみて、
問題があるのではないか」という懸念の声。

それについては「誰が何を借りたかという情報が、なんで個人の特定にあたるんだ!!」と
市長が記者会見の席上で気色ばむシーンも。
ネット上の議論も、正直、水掛け論に終始しているようです。

まあ、公営の施設を民間に委託してコスト削減を図ったり、民間がもつサービスに関する
ノウハウを取り入れて、公共サービスの活性化に寄与するという理念は、よくわかります。

私自身、もし自分の身近にTポイントが貯まる図書館ができた場合、
おそらく通い詰めるでしょう(笑)。個人情報云々の話も、現実、運営が国であろうと
地方公共団体であろうと民間であろうと、要は、図書館法などの関係法律を遵守する限り
情報漏洩のリスクは、そう変わらないのではないかと思うからです。

ただ、私は正直、今回の武雄市の姿勢に対し、どこか違和感を覚えるところがあって。

というのも、今回、市立図書館を民間に委託するにあたって、公募方式ではなく
ストレートにCCCに決めたのも「テレビなどで知ったCCCの企業姿勢に感動した」という
理由からのようですが、それって、半ば独断で、特定の企業カラーを公共サービスに持ち込むと
いうことにはなりませんか?

公共サービスを利用するにあたっては、ある程度、企業の影響からは自由でいたいという市民も
少なくないとは思うんですが、そういう声を、無視していませんか?

図書館の話とは違いますが、武雄市は日本で初めて(おそらく唯一?)
市のホームページを、ほぼ完全にFacebookに移行したところとしても知られています。
そのFacebookホームページを拝見しまして。まあ確かに、Facebookの特徴というか
シンプルなレイアウトで、更新も早く、何より市民との「双方向」の対話が実現できているという点では、
高評価に値すると思います。

でもねえ。「こんなところまで、Facebook仕様にしなくても」と思ってる人もいるかも。

個人的には、従来型のデザインで構成されている武雄市観光協会のサイトを見たとき
なんかホッとしました。どちらが見やすいかどうかはともかく、
あえてFacebookに背を向けるのも、個性だと思いますから。

*武雄市図書館でTカード、Tポイントを導入した場合、Tカードを持っていれば
市民でなくても、本を借りることはできるようになるそうです。例えば、旅の途中とか。
返却は、郵送でも可能にすることを検討しているようです


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